(それが何なのか、全く理解ができなかった。念の為と耳鼻科に行っても結局は何の異常も見つからず、原因はまるで分からないまま時間ばかりが流れていった)
(そしてある時、真はふと思ったのだ)
(これは相手の本音ーー心の声のようなものなのではないかと)
(会話をしていた相手が後になってからぽろりと本音を吐露することが何度かあり、それを受けての真なりの判断である)
(だがその頃にもなると、いつまで経っても完治することも軽減することもない症状に疲れ、真の中には諦めにも似た感情が湧いていた。そしてそれほど間をおかずにその感情は開き直りへと変化しーー彼はその声を無視するようになったのだ)
(妙なものが聞こえるからなんだ。こんなものは所詮幻聴だ。その上で無視すればいいだけだ、と)
(だがその意思をずっと貫き通せるほど、彼は強くなかったのである)
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