(心が折れた結果色んなものから目を背けて逃げ出して、そうして形成されたのはひとりきりの小さな世界)

(そこは聞きたくもない嘘で傷付くこともなければ、知りたくもない誠で悲しむこともない穏やかな場所だった)

(自分が卑怯者だという自覚はあった。胸を掠める孤独感や罪悪感もあった)

(だけど一度手にした安寧を捨ててまで、そこを飛び出す気にはならなかった。そうするだけの勇気は彼にはなかったのである)

(そうして自分の世界に閉じこもってるうちにも季節は巡り、やがて真は書類の上で高校2年生になった)

(そうして何の感慨も実感もなく進級を迎えたものの、当然のように彼は何も変わらなかった。それまでと同じように自分だけの世界にこもり続けたのである)


寂しがりはひとりぼっちを望む13