(動くからな。そう言って真は移動を開始する)

(部屋を出て廊下を進み、玄関まではあっという間についた)

(だが、そこで真の足はぴたりと止まってしまった)

……、

(口の中で何事か呟いているみたいだが、聞き取ることが出来ない…)

(どうしたの、と声をかけようとしーーそこでようやくハッとした。この状態はかつて力の有無を確認するために真とコンビニに行った、あの時の状態とそっくりだと)

(…自分が満足に動けない今、手を貸すのはここまでであとは玄関先から見送るだけ、という選択は真ならば間違いなく取らない。絶対に最後まで手を貸そうとしてくれるはずだ)

(それはつまり、隣とはいえ外に出なければならない、ということで)

(…それに気付いてしまえば、真が急停止してしまった理由も理解できる)

(体が微かに震えてるのだって、理解できる)

(…真は今、自分の為に戦ってくれてるのだ)

……よし、行こう。

(やがて自分に言い聞かせるように硬い声でそう言って、真はそっと玄関扉を開いた)


君の為