(付き合ってくれたお礼に飲み物でも奢るという田中の言葉に甘え、家からほど近いところにある喫茶店へ場所を移し、小さなテーブルを間に自分たちは向き合っていた)

えーっと…どっから話したもんか…
……
んと、改めまして
俺、田中っていいます。
で、俺が今日あそこにいた訳は…とりあえず置いといて、
話ってのは聞川のことで。
単刀直入に聞きますけど、◯◯サン、あいつの状況…どこまで知ってます?
(あいつの状況と言われて頭によぎったのは「心の声」のことだ)
(とはいえ田中の言葉が指しているのが本当にそれなのかが判然としない以上、口にするのも憚られる。何しろデリケートな問題なのだ)
……
……声がどうのって話、あいつから聞いてないっすか?
(こちらが口を開かないのを見て察したのか、やけに慎重な口調で田中はそう言葉を重ねてくる)
(声がどうの。ーーつまり心の声のことだろう)
(とすれば、別に隠し立てするようなことでもない)
(そう判断して、心の声が聞こえることは知っていること、何故か自分の声は聞こえないらしいこと、今でも普通に真と会っていることを田中に伝えた)
(田中は真剣な表情でそれを最後まで聞いた後、ホッとしたように息を吐き出した)
…そー、っすか。

…なら、良かった。
あ、いや、声が聞こえるって点は良くないんすけど…あいつ、ひとりじゃないんだなって
…そっか…
…聞川、元気してます?
(真の状況を知りたがっているらしい田中に、それからしばらく今の真のことを語って聞かせた)
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