(彼が誰なのかもその目的も全く分からないが、完全に不審者は不審者だ。本来であれば放っておくところである)
(が、さすがにそのまま流すことは出来ず、勇気を振り絞って声を掛けたのである)

おわっ!?
(声を掛けるまでこちらの存在には気付いていなかったようだ。驚嘆の声を上げて、彼がそこから飛び退く)
…は、はい?
俺に何か用っすかね?
(同じような年頃の彼は少々挙動不審気味にそう問うてくる。何か用というかなんというか)
(一先ずそこが友達の家であることと、お前は誰で何をしてるんだというようなことをオブラートに包んで問い返してみた)
…え、知り合い?
聞川…真の?
……
……もしかして◯◯サン?
(思いがけず名前を当てられギョッとする。反射的に足を引くと、彼は慌てたように大きく両手を振った)
す、すんません!
ですよね、怖いっすよね!知らないやつに名前知られてたら!
…あー、えっと…
俺もその、聞川とはと…知り合い、で。
そんで、あいつから◯◯って名前の幼馴染みがいるって話は聞いてて…てっきりそうかなーと。
(まさしく大当たりではある、が)
(さてそうなるといっそう気になるのは、目の前の彼が誰かということだ)
(こちらの視線から何かを感じ取ったのだろうか。彼は少々居心地悪そうな様子で頭を掻くと、ゆっくりと言葉を重ねた)
俺、聞川の同級生で田中っていうんすけど…
…ちょっとだけ場所変えて、話付き合ってくれません?
(ちらりと真の家を見やり、田中と名乗った男子はそんな提案をしてきた)
付き合う付き合わない