(部屋の方へと逆戻りしかけた真を慌てて捕まえ、引き止める)

…え、けど…

……

いや、うん…そうだな
せっかくだし、並んで見ようか

(真が再び隣へ腰を下ろした)

(てるてる坊主のように肩を並べながら真は天を仰ぎ、僅かに目を細める)

…綺麗だな、本当に

俺さ、部屋の中から月を見ることは結構あったんだ
けどこうして窓越しじゃない月を見るのって、多分引きこもって以来始めて…かもしれない

たった窓一枚なんだけど、それがあるかないかって俺にとっては結構大きくてさ

…だから、なんていうか

ありがと、◯◯

…お前がお月見しようって言わなければ、俺はきっと今日も窓から月を見上げるだけだったと思う

ベランダに出ようかなぁなんて、微塵も考えなかったと思う

だから、ありがとう

…ふふ、
お茶、冷めちゃうな

…ゆっくりお月見しようか

(そう言って真は再び空を見上げる)

(月明かりに照らされた彼の横顔は、とても穏やかなものだった)
十五夜を君と/月見日和6