(やがて。遠くの方で蝶番の軋む音が聞こえた。耳を澄ませてみると、きしりきしりと、まるで暗闇の中を一歩一歩足場を確かめながら歩いているような微かな足音が響き始める)

…◯◯…?

(次に聞こえたのは足音に負けず劣らず小さな声。彼の中に渦巻いている不安を凝縮したような声音だ)

(きい、とどこかの部屋の扉が開く。しばらくして閉まる。それを何度か繰り返した後、この部屋の扉がゆっくりと開け放たれたのが分かった)

◯◯、

…いる、よな?

……

なあ、ふざけてないで出てきてくれよ

……

……っ

(しばらく部屋の中をうろうろとするような気配があったものの、クローゼットが開かれることはなかった。彼の声と足音は遠のき、部屋の扉は閉じられてしまった)
♩隠れる2