(いつものように真の家にいて、目の前には彼の部屋の扉がある。自分はそれをノックしながら中に呼び掛けていた)
(返事はない)
(再度声を掛ける。だけど答えは返ってこない)
(中で気配はしている。誰かが息を殺しているのがわかる。なのに中にいる誰かはノックの音に返事をしようとしない)
(何故だろう。どこかもやのかかった、ぼんやりとした頭で思考を巡らせーーふと気付いた)
(これは夢だと)
(その途端一気に視界が開けた気がした)
(扉から一歩離れ、辺りを見回してみる。普段の彼の家…とは夢故か少々違うところもあるようだが基本的に作りは同じようだ)
(改めて、真の部屋の扉に向き直る。中の気配は相変わらずだ)
(ドアノブに手を掛ける。ほんの少し力を込めてみれば、鍵の掛かっていなかったらしい扉はあっさりと開いた。その瞬間、中で引き攣るような声が聞こえた気がした)
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