(彼はーーそうだ、知ってる)

(彼はクラスこそ一度も一緒にはなったことがないが自分と同期生で、それこそ一度話をしてみたいと思っていた人物その人で…)

……

(……その人、で)



……え

(……あれ?)

…た、田中っ

(胸に湧き上がる妙な違和感に眉を寄せるのとほぼ同時、男の子は田中の腕を引いてドアの向こう側へと逆戻りしてしまった)

(何やらこしょこしょと話し声は聞こえるものの内容までは聞き取れない…)


(しばらくしてようやく二人揃って室内へと入ってきた)
◎君を知らない僕と、僕を知らない君8