(どうしよう…)

(いや、どうしようもこうしようもないのだが、そうとしか言いようがない。なんだこのスピード展開は)

(ともかくだ。自分は田中に彼の友達と話をしてみたい、というようなことを以前打ち明けていたらしい。その辺がはっきりしないのは、未だ続く脳内のモヤつきのせいなのか)

(まあ理由はさておき。自分のその言葉を受け、田中はこちらと件の友達を引き合わせるつもりでいたらしい。頼り甲斐のあるやつだ)

(しかしその予定は唐突に田中の家に襲来した自分のせいで狂ってしまったと…そういうことのようだ)

(…いや、どうしよう)

(そもそも自分は誰と話をしてみたいと言っていたんだったか)

(我がことながらあやふやな記憶を補うべく、脳内の引き出しを片っぱしからひっくり返してみる。が、脳内のモヤつきのせいか元来の記憶力のせいか焦りのせいか、該当する情報が全く出てこない)

(そうしている間にもドアの向こうから二人分の足音が近付いてきてーーひょこりと田中が顔を覗かせてしまった)



(口パクでお待たせと言っている…。今の状況を大変楽しんでいるようだ)

(ニヤニヤ顔の田中が部屋に入ってくる。そしてその後ろから続いて入って来たのは、田中よりも少しばかり身長の低い男の子だった)


◎君を知らない僕と、僕を知らない君7