えー…それマジで言ってる?

もー自分で言ったことくらい忘れんなよなー

俺の友達と話ししてみたいって言ってたろ

クラスも違うし、きっかけもないからどうしようかなとか言ってさ

(田中の友達。話ししてみたい)

(…あった、だろうか?)

うーわ
ころっと忘れてやがんの

せーっかくこっちがお膳立てしてやろうと思ってたってのに、そりゃないだろー

…はあ、まあいいや

どうもお前にとっちゃそう重要な発言じゃなかったらしいってことはもう置いといて、優しい田中くんは動いてやろうと思ってたわけよ

で、顔合わせの場でも近々設けようかなーと思ってたんだけど、

(瞬間。田中の言葉を遮るように室内に鳴り響いたのはインターホンの音だった)



…たまたまな?

たまたまそいつ、今日うちに来る予定だったんだよなぁ
休み明けテストあんだろ?その対策も兼ねてな

(…なん…だと?)

(予想外も予想外すぎる事態に一瞬思考が固まった)

(その隙を突くようにすくりと立ち上がった田中はスタスタと部屋の出入り口へと歩いていく)

ちょうどいいから今日紹介してやるわ

いっとくけど今更帰るのなしなー?
ノーアポで来た◯◯が悪い

(明らかに状況を面白がっている笑みを浮かべつつ、田中はドアの向こうへと消えてしまった)


◎君を知らない僕と、僕を知らない君6