お待たせしました……
ありきたりですが、ホットミルクを用意してまいりました。
あと、マスターさま……少量のアルコールはだいじょうぶ……?でしたら、ラム酒漬けのこの氷砂糖を。
ぐるぐるとかき混ぜて…渦を……深く色づいた渦が、ミルクの白に消えていく……
こうして、渦が消えていくさまを眺めていると……なんだか、気持ちが落ち着いてきませんか?
エヘヘ……陰気ですかね、こういうの。
マスターさまはゴッホとおなじようには感じないかもしれないけど……
でも、ホットミルクの甘さと温かさは……きっと、マスターさまの心を安らがせてくれると思います。
あの…マスターさま。
さっき、マスターさまがお眠りになっているとき、随分とうなされてて……
すごく、苦しそうなお顔で…そのまま死んじゃうんじゃないかってぐらい……
……覚えてらっしゃらない、ですか?…エヘヘ、いえ、それが一番かと……
それで、今日はマスターさまのお傍で絵を描いて見張りを……と思ってましたが、またあんなことがあってはならないので……
こんな、ゴッホだけど……い…一緒に、その、隣で休ませていただいてもよいでしょうか?
もし、マスターさまが悪夢を見たとしても、異変が起きたとしても……
マスターさまの傍でゴッホがおなじように眠っていたら、夢が繋がって…エヘヘ、マスターさまをお助けできるかなって……
もうマスターさまが苦しんでるのに、なにもできないのは…ゴッホ、イヤです……
魘される3