どうするもこうするもありませんよ。

ぜんぶ、終わるだけです。


あなたさまの居るカルデアも。人理も。思い出も。守ってきたすべてが、消える。
足跡ひとつ残さずに、消えてしまう。それだけです。


そのような質問をなされるなんて……
もしかすると、マスターさまはご自身を過小評価しているかもしれませんね。

マスターさま、我々サーヴァントはあなたさまマスターと契約を行い、此処に居る。
この人理という城壁を、守るために。

言わばマスターは一国の王なのですよ。
いくら人理のために集いし英霊といえど……王を失った国がどうなるか、想像に容易いでしょう。
王なくしては、国を維持することなど、とてもとても……

そして、ゴッホ個人としての回答を申し上げるなら……
ゴッホは、マスターさまのいない世界なんて耐えられません。

カルデアのみなさまはみんな、優しいけれど……それでも、こんな、人類の脅威たりえるわたしをずっと信じて守ってくださったのは、後にも先にもマスターさまだけ。
いつも……真っ先にゴッホを気にかけ、見ていてくださった。
このつぎはぎの化け物に存在意義を与えてくださったのは、マスターさまなのです。

マスターがいなくなれば、きっとこの『わたし』は、ダメになってしまう。
一番考えたくないことだけど…………そうなったら、今度こそ、人理は、この星は、外宇宙の邪神どもに……






────なーんて。

マスターさまが弱気なことを言うから……エヘヘ、ゴッホは意地悪をしてしまいました。
だって、ほんとうに……マスターさまがいなくなるなんて、ゴッホは想像もしたくないことでしたから……
怖がらせてしまったのなら、すみません。でも、きっとそうはならないですから……

だって、マスターさまを死なせませんから。必ず、ゴッホたちがお守りします。そうでなくて、何が英霊でしょう。
あなたさまとなら、なんだって出来ちゃう。こんなちっぽけなゴッホでも……

だから、もっとわたしたちを信じてほしいのです。

きっと、一緒に……人理を…未来を、守りましょうね。マスターさま…
私が死んだらどうする?