あ…起きちゃいました?エヘへ……
ゴッホが音を立てちゃったから……すみませんです。
………あ、ええと……ウフフ…な、なにを言えばいいか……照れちゃいますね…
……………
ま…マスターさま、あの……
こんなわたしに、意味を……価値を、与えてくださってありがとうございます。
あなたさまの、おかげで……
わたしは、ゴッホは、生きる目的ができた。
マスターさまやみなさまと一緒に……
叶うなら、ずっと、マスターさまのお傍で……わたしは、未来を…あなたさまが守った未来を見たい……
………な、なんて。
マスターさまからすると、添い寝しただけで何をそんな、というかんじですよね。
でも……、信じていただけないかもしれませんけど、ゴッホはあなたさまに……大袈裟ではなく、命を、この存在を救っていただきました。
何もかもを持たないからっぽの、死にたがりのつぎはぎの化け物は、それでも死にたがりだけど……
マスターさまのおかげで、生きていくための……こんな化け物も、アイデンティティを得たのです。
エヘへ…マスターさまにいただいたものだから、それがいまのゴッホの誇り…宝物、です。
あれはあなたさまにとっては紛うことなき夢でしたが、わたしにとっては現実だった。
………なぁんて、寝起きに聞くお話ではないですよね、エヘへ。
まだ時間には余裕があるので……マスターさま、どうか、安心しておやすみいただければと。
今度こそ、眩い虹霓と狂気の祝祭でなく……穏やかな夢を……
…………ウフフ…、これからも、よろしくお願いしますね。マスターさま。
事後