…◯◯。
(任務に出た兄が必ず帰ってくる保証はない。信じていても、こうして時々我慢できずに泣いてしまう)
妹に心配をかけてばかりで、すまないな。
兄として不甲斐なし。
だが、◯◯と千寿郎の兄は、そう簡単には死なない。
理由ならたくさんあるが、
(目線を合わせるように屈んだ兄と目が合うのと殆ど同時に、頭にあたたかくて大きな手のひらが乗せられる)
…誰よりも優しく、それ故に誰よりも泣き虫で、誰よりも可愛い妹を置いて死ねるはずがない。
だから今回だって、任務を終えたら必ず帰ってくる。
約束しよう!
だからそれまで、煉獄家を頼めるだろうか。
(穏やかに言い聞かせるような声音に涙を拭うとしっかりと頷く)
…はいっ、兄上!…どうかお気をつけて