(降り始めた雪によって冷え込む空気に、火鉢にくべる炭を取りに行くべく廊下となっている縁側に出る。すると手を取り合い並んで笑う三人の姿が視界に入った。息子ふたりに挟まれて、真ん中に立っているのは…

--瑠火。

…違う。
似ている訳ではないのに、ほんの一瞬、ほんの僅かだけ彼女の姿が亡き妻と重なった。

生きていたら、今目に映るような三人の姿が見られたんだろうかと、考えても仕方のないことが頭を過る。
…考えても仕方のない事は考えるんじゃない。

暫くそうして眺めていたが、眩しくなって目を逸らした。
…さっさと炭を取りに行こう。

あの三人の穏やかな姿は、今はまだ見なかったことにして。)
冷える空気に背を向けた