(ひとりでの任務を終えたものの、普段よりも大きな怪我をしてしまって呼吸をする度に身体中に雷のような痛みが走る。情けない…!
息を浅くして、痛みを抑えたまま帰らなければ…と、気を紛らわせるために炭治郎の言葉を借りてぽつりと呟く。長男じゃなくて長女だけど…!
すると…)
--長男であれ長女であれ、痛いものは痛い!
(聞こえるはずのない声に顔を上げる。…煉獄さん…!?)
うむ!
君の帰りが遅いと聞いた故、迎えに来たんだが…来て正解だったな!
(じっと見つめられると怪我の程度が分かったのか、一度ばっちりと目が合う)
蝶屋敷まで戻ろう。
俺が君を抱えて行く。
なるべく静かに、迅速に走るが、多少の痛みには耐えてくれ。
(情けないやら恥ずかしいやらで無意識に首を横に振り、何とか自分で歩きますからと伝えるも、聞き入れられずにさっと横抱きにされる)
君がさっき言っていた理屈なら、此所での長男は俺になる。俺は君よりも歳上だ。
やせ我慢などせず、甘えておけばいい。
(抱き上げられた手に僅かに力が入る。近い距離で見下ろされながら掛けられた言葉に、小さく頷くことしかできないでいると、
にこりと笑顔が向けられた)