(暫く雪を見上げていたものの、ふと両隣が気になって順番にふたりを見ると、どちらとも目が合う。あれ…?雪じゃなくてわたしを見ている…?と急に雪にはしゃいだ自分が恥ずかしくなりじわりじわりと頬が熱くなってくる)
む…?
頬も鼻先も赤くなっているな。
まだ手はあたたかいが、そろそろ身体が冷えてくる頃だろう。
(煉獄さんの空いた手が体温を確かめるように頬に触れると、千寿郎くんも何かに気がついたようにはっとなる)
…!
気がつかずにすみません。
◯◯さんと兄上と、こうしてゆっくり過ごせる時間がとても穏やかで…寒さを忘れてしまっていました。
大丈夫ですか?(大丈夫だと答えながらしっかりとふたりの手を握ると、どちらからも笑顔が返ってくる)
…名残惜しいが、続きは屋敷の中から見るとしよう!
千寿郎もそれでいいだろうか。
はい、戻ったらあたたかいお茶をお淹れしますね。あぁ、頼む!
では俺は菓子折りを用意しよう。
◯◯、君は食べる係だ!
(穏やかな会話とあたたかい両手をしっかりと握ったまま、
冷える空気に背を向けた)