(蝶屋敷に寄った足で、煉獄さんに会いに行こうと屋敷に向かう途中に見ず知らずの男に絡まれる。暫く無視をして歩いていると、男が痺れを切らしたのか手首をぐっと引いてきて離すことができない。

…相手は人だ。どうしようかと困っていると、視界の端に鮮やかな羽織が映り込み、気がついた時には男と自分との間に煉獄さんが割り込んでいた。私の手を引く男の手首を掴んでいる)

彼女は俺の連れだ、その手を離してくれないか。
…先に断っておくが、これはお願いじゃない。

--その手を離せと言ってるんだ。

(煉獄さんはいつも通りの表情に見えるが、男の手首を握る手に血管が浮き上がっている。相手の男はその力にたじろぐと慌てて私の手を離して逃げていく。
どうして此処に…?)

君の鎹鴉を見かけて来てみたら、こんな事になっていた。

…それよりも手首が赤くなっているな。
早く冷やした方がいい。

俺の屋敷で手当てしよう、おいで。

(此方に伸ばされた煉獄さんの手が私の手を掬って、普段よりも柔らかく握られる。…安心する。しっかり頷くと手を引かれるまま屋敷へと戻った)
ナンパされる