--…ぅ、…そう、ちゃんとできてる。
今日もまたひとつ強くなったな。

…はい!
これからも精進します、兄上!


(庭から聞こえてくる声に足を運ぶと、煉獄さんが千寿郎くんに稽古をつけていた。必死についていこうと頑張る千寿郎くんと、それを見守る太陽のような兄の煉獄さんに、思わずほわほわしてしまう)

僕も、兄上や◯◯さんのようにっ、なります!


(突然耳に入った己の名前に、邪魔をしてはいけないと去ろうとした足がぴたりと止まる)

…そうか!
彼女は俺達の見えないところで、しっかりと努力をしているんだ。…今の千寿郎のように!

だから、努力を重ねた分だけ強くなれる。
焦らなくていい、しっかりと積み重ねていこう!

はいっ…!


(そんなふたりの言葉を、ふたりの光景を見てしまったらもう駄目だった。ほわほわを通り越して、目頭が熱くなってくる。煉獄さんも千寿郎くんも、目線は違えどちゃんと自分のことを見てくれている。炎の呼吸の使い手として、此処に居られてよかったと思った)
ふたりの稽古を目撃する