名前:姫宮ゆい子

常連のお客様44人

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えっ……!?



あ、そ、そうですね。それじゃあ軽く面接でもしてみましょうか。

じゃあまずは待遇から話しておきますね。ご存じだとは思いますけど当店はお休みは火曜日と日曜日。
勤務時間は15時から24時です。開店時間は16時なんですけど、清掃とか仕込みもありますからね。
それで、時給は1,600円……



「ゆい子ちゃん、ゆい子ちゃん!」



はーい! あ、申し訳ございません。店長からお話があるみたいなので……少々お待ちください。

店長~! 何か御用でしょうか~?



「ゆい子ちゃん、実はな……」



えっ!? あの時給って私だけなんですか!? それじゃあアルバイトの方は……

あ、はい。わかりましたー。






失礼致しました。それではお話の続きですね。



えっとですね、確認したところ時給の方は1,020円となります。うわ、ほぼ最低賃金ですねこれ。

あ、志望動機とかは大丈夫です。話していればどのような方なのかは大体わかりますので。

それでは希望される勤務日や時間帯はありますか?



えっ……?



あ、失礼致しました。はい、それでは面接は以上となります。結果はこのままお席でお待ちください。





誠に申し訳ございませんが今回は採用を見送らせていただくことになりました。
当店に応募いただきましたことに感謝すると共に〇〇さんのより一層のご活躍をお祈り申し上げます。

ふぅ……あ、休憩時間ですね。



いやいや〇〇さん無茶ですよ~! 週1日で、しかも2時間しか入れないなんて~。
私がどれだけ推してもねじ込めませんって! 普通の企業だったら冷やかしだと思われますよ?



やっぱり〇〇さんにはお客様として私を癒していただくお仕事が一番合ってますって。そうしましょ。



「え? 今のってまじめな面接のつもりだったのか……?」



「また〇〇姐さんとゆい子ちゃんのショートコントだと思ってたぜ」



あー……そうしておいた方が幸せだったかも知れませんね。