私の名前は〇〇、ピチピチの2X歳妹系女子。さっきまで記憶を失うくらい飲んでたわけだけど、ようやく酔いも覚めてきた。
手に持ったビニール袋にはお弁当屋で買ったらしき容器。中身は入ってるみたいだけど記憶がないので何弁当なのかは知らない。
私が果たして何を買ったのか……この謎を解き明かし、中のお弁当を堪能するべくまずはあの場所に行こう。私の魂が帰るべき所へ。

「いらっしゃいませ~。あ、〇〇さん!」

この子はおっぱ……ゆい子。私のお気にの店員ちゃん。おっぱいデカいしからかうと面白いし可愛い。ちょっと過保護なのが玉に瑕かなー。

「ただいま席にご案内しますね~。今日のオススメはですねー……」

「あ、いいのいいの。お弁当持参」

「えっ……もう、ちゃんと持ち込み料いただきますからね?」

「ところでこれって南口のお弁当屋さんのですよね? 何を買ったんです?」

「私にもわからん。それを見届ける為に私はここに来たのだ」

「えぇっ……」

「それじゃあ、ご対め~ん!」
パカッ……
箱を開けた瞬間、鼻に突き刺さるスパイシーな香り。これは……

「カレーですか~。良いですね~」

大盛りご飯に福神漬け、ビーフカレールー、そしてご飯の上には揚げ物が3つ……これは……

「カツカレーだあぁぁぁぁぁぁ!」

さっきまで食べてた記憶もなくなっててお腹empty状態。ガッツリ食べたかったんだ。偉いぞ、酔ってた時の私!

いや待てよ……? この揚げ物、一体何のフライだ……? 私が一番好きなのは当然トンカツ。
だけどこの揚げ物には切れ目が入ってない。大きさも疎らだ……チキンカツ? メンチ? もしくは白身フライ?

おいおい、大好物のトンカツだと思って食べたら他の物だった時のガッカリ感と言ったらもう最悪だぞ。どうする……!?

「あの、〇〇さん? 食べないんですか?」

「おっぱいさんちょっと黙ってて! 真剣なの!」

「誰にも邪魔されたくない、私とカレーの真剣勝負なの」

「…………」

さて、邪魔はなくなった。あとはこのカレーをどれだけ最大バリューで食べるか、だ。

そうだ、逆に考えるんだ。逆転の発想、理外の理……! これは白身フライ、メンチカツ、チキンカツ……最初からそう思って食べるんだ。

だが世の中には無くもない……こんな形のトンカツも……期待せずに食べた物が実は好物だったら……私は最大バリューの幸福感に浸れる……!
白身もメンチもチキンカツも別に嫌いじゃないのでトンカツじゃなかったとしてもそれはそれで良い。私にダメージはない……これだ!

「いただきま~す!」
シャリッ……
えっ……何、この食感……こ、これはまさか……

「タマネギだあぁぁぁぁぁぁ!?」

何で!? なんでっ!? なんでよりによってタマネギフライなの!? 私だったら、絶対こんな物食べたいと思わないのに!

ハッ……! 思い……出したっ……!

おっぱ……ゆい子に食べさせようと思って……カツだと思ったらタマネギだった時どんな反応するか見たかったんだ。

ちくしょう……何で私がハマってんだ……くそぅ、酔ってた時の私め~! くそっ、くそぅ!

「あの、〇〇さん? 何でそんな泣きながら食べてるんですか……?」

「うるさいこのおっぱいめ! お前の所為でこうなったんだ! ちょっと揉みしだかせなさい!」

「きゃあぁぁぁーーー! 何でですかー!? 理不尽~!」
おわり