いらっしゃいませー! あっ、〇〇さん! お一人様ですね? ただ今ご案内を……

あっ……そうでした! 今日は団体のお客様が入っていまして、お席の方が……
はい、祈莉ちゃんと相席でしたらすぐにご案内できるんですけど如何でしょうか?

大丈夫ですか? わあ、ありがとうございます! それではご案内しまーす!
ふふっ、祈莉ちゃんと〇〇さんの超絶美少女の2ショットが見られるなんて……
今日のお仕事は大変だと思いますけどこれで1日乗り切れる気がしますっ!

「はぁ……せっかく静かに飲んでたのに、何であなたと相席しなくちゃいけないんですか……」

「と言うか〇〇さん、いつもお一人ですけど一緒に飲む友達とか居ないんですか?」

「え、私? 私はほら、一人で飲みたいタイプだし……それに地元埼玉じゃないですか。わざわざ新宿まで来てもらうのも悪いですし」

「あっ、れ……? なんか今日は、回るのが早い……? 〇〇さん……あなたが、馬鹿みたいなペースで飲ませる、から……!」

「しかも……私を、こんなにしといて……自分はさっさと、寝ちゃうし……もう、あなたって人は……!」

「私だって……私だって本当は! て言うか、私の方が先に、ゆい子ちゃんのこと、好きになったのに……でも、あの子の心にはずっとあなたがいて……! 悔しいですよ! あなたに勝てないのが!」

「あ…れ? わ、私、今……何を口走って……?」

(良かった、誰も聞いてなかった。飲み過ぎて油断してたな。私の気持ちは絶対口にしちゃいけないんだ。ゆい子ちゃんの為にも……)

「それにしてもこの人は本当に……」

「〇〇さん、そろそろ帰りますよ。ほら、起きてください。頭からお冷をぶっかけられたいんですか?」