見知らぬ男の部屋に来て

もう29ヶ月経った気がする

ほだされそう

……こっち向いてくれ。

(こっち向けと言われながらもそっぽを向いた先に、顔を覗かせるように目を合わせられた)

そんなにむくれてしまっても、それは。
……拗ねているのか?

(反対方向にぷいと顔を向けると、彼は俯いたかと思う小さく唸る)

ぐ、……拗ねてるんだな?

……どうも悪いことをした気になれないな。
かわいく見えてしまって、どうもだめだ。

(拗ねているのにこの言われようだ。
更に拗ねるように三度目のぷいっを決めると、慎重にゆっくりと頭を撫でてくる。
ちらりと表情を確認すると、締まりのない顔でにやけていた)
ぷいっ