見知らぬ男の部屋に来て

もう29ヶ月経った気がする

ほだされそう

キィ、と部屋に音が響く。

驚いて重苦しい体を起こす。
音のした方を見ると……男が立っていた。

起き上がった様子を見るなり、近づいてくる。

そしてベッドの脇に立ち、じっと私の顔を見たままだ。

喋ろうとしない男に痺れを切らし、私は声をかける。

誰……?
そばにある質素な椅子以外はなにもない。