ふぅ…こんなものか。
まだ全て開梱しきったわけではないがあとは明日に回すとしよう。
(ガチャ)
ここが寝室だな。これで君を起こすのが楽になったな。
何だ?私がモーニングコールしなければ君はいったいどれくらい講義に遅刻していたんだろうな。私は君より君の時間割を把握していた自信があるぞ。まったく君はしょうがないやつだな。
キッチンか。
…なんだその「あなたには関係ない場所」とでも言いたげな顔は。私だって…茶を沸かすくらいはする。あとのことは、君に一任する。
クローゼット…私はあまり服を持っていないからな。この際買いに行ってみてもいいかもしれん。
何?…はぁ、君は下らんことばかり考えるな。この歳になって君に服を脱がしてもらうことなんて…、
あるわけ…
ない、ことも…ないかもしれんが。
コホン、そ、そんなことよりだ。はやく役所に行かねばなるまい。これを提出しに行かねばならん。行くぞ調律師く…
………長く呼んで来たこの名前もそろそろ変えねばならんな。
それでは行こうか、……………
「…くん、」