「東奏学園で、ある事件が起きたの、です。」
クラスメイトA
「な、なにこれ!」
クラスメイトB
「あ、暗号かなにか?かな……。学校中の黒板に、ちょっとずつ違うメッセージが書いてあるらしいよ?」
「黒板いっぱいに大きな文字で謎の文章が書かれていたのです。」
「思わず私は、その場にいない暗号の主にツッコんでいたのです。」
「なんてアホな人だ……と。」
「その日の一日は、暗号の話で持ち切りでした。」
『あの暗号を書いたヤツはかなりのアホだ。』
『いや、極めつけのバカだ。』
「悪ふざけにしてももう少し頭を使わなくては、など、ひどい言われようで。」
「正直同感でした。」
「けれど、皆、暗号の話をするとき、笑っていてーーー。」
「考えてみれば、アホだなと思っていた私も、笑顔になっていたかも、しれません。」
「そう……そのことはずいぶん印象に残りました。」
「目立って、注目されて……単純に、うらやましかった。」
『学園一の美少女、小田桐アミ、至急、生徒指導室まで来なさい』
「その呼び出しに、思わず声を出して笑ってしまって。」
「つい好奇心がうずきーーー。」
「
私はその、学園一のアイドルをひとめ見たくなりま、した。」