「腕を磨いたところで、どこで、披露するのか、と。」
「そして、それではたして本当に、自分の本質が、変わるのだろうか、と。」
「自分の中で、何かが変わり始めているという手がかりがほしくて…。」
「自分の落語を、録音して、聴いてみたのです。」
「それは、聴くに、たえないもので、した。」
「プロの足元には遠く及ばないのはもちろんのことーーー」
「それは拙く、必死で、余裕がなくてーーー。」
「聴いているうちに情けなくなって、涙が出てくるようなーーー。」
「私など、結局こんなものかと、思ったもの、でした。」
「どうにもこうにも、袋小路に入り込んでいるような気持になっていたの、です。」
そんなおりでございま、した