そんな人が何故、とたじろぎかけるもそんな場合じゃない。
まだ子供と呼べる年齢の彼が怪我をした原因も、病院を拒む理由もどうでもいい。今はとにかく、彼を一刻も早く安全な場所へ。

病院がだめなら、思い付く場所は一つしかない。自宅だ。

「ふんっ……ぬ」

なるべく怪我に響かないように運ぼうとして、気絶した人間は思っているよりも重いことを知った。色々落ち着いたらトレーニングしよう……




確か、全国大会出場者の……とにかく助けなきゃ