(クリスマスから数日後、約束通りインクを買いに行くためにⅣと待ち合わせをした場所へ急ぐ)

(やっぱり、ペン軸の色に合わせて紫が良いのかな。それとも自分の好きな色?)
(考えながら歩く町並みは、クリスマスから一転して年末の様相になっている)

(ぼんやりとショーウィンドウを眺めながら歩いていると、不意に肩を叩かれた)

「あんた、これ落としたぞ」

(少年に差し出されたのは、Ⅳから貰った万年筆だ)
(……万年筆だ!?)

(慌てて鞄の中身を確認すると、確かになくなっている。隙間から落ちてしまったのだろうか……)
(少年に礼を言って、次は落とさないように仕舞いこんだ)

「あぁ、気にするな。俺も偶然拾っただけだし……それじゃあな」

(私が仕舞ったのを確認したのか、少年は去っていった……)
(……それにしても、不思議な髪型の子だったなぁ)





─END?─

切っ掛けはいつだって些細なものだ。