(それは、夕暮れに染まりゆく町を歩いていた日のことだった)

(夕飯時が近いからだろうか、川辺の煉瓦道を子供が駆け抜けていく)
(緩くカーブした道を走る背中を追い掛けた目は、その先でしゃがみこんだ少女を捉えて)

(青くて長い髪……あの制服はハートランド学園のものだろうか)
(ぼんやりと眺めていたその肩がびくりと跳ねたのが気になって、そっと爪先の向きを変えた)




出会いの話-Ⅱ