──。

(喉が、鳴った)
(空気が通った音だったろうか、生唾を飲んだ音だったろうか、覚えていない)

(ただ、夢に出てくるくらいにその名前が残っているのがなんとなく……)
むなしくて
(うれしくて)

(出来たことなんて、未練たらしくその髪を撫でることだけだった)
(「ここにいる」なんて、言えるはずもない)

とーます、いかないで……