なんやかんやで自宅に運んで、それから薬やら包帯やら、着替えも含めた諸々をスーパー緊急お急ぎ便で注文して。
いやぁ頼るべきは文明の利器だね、なんて息を吐く間も無く家事に追われて、届いた救急セットとネット情報を頼りに手当てをして。
「これでいい……のかな」
薬を塗ってガーゼを当てて、ただ包帯を巻いただけの拙い手当て。きっと傷跡は残ってしまうだろう。それでも、なにもしないよりは。
慌ただしく動き回る中で彼が目を覚ますことはなく、その日はベッドを明け渡したまま夜を過ごすことになった。
明日が休みなのが吉とでるか凶とでるか……まぁ、夜が明けなければ分からないことだけど。懐から飛んでいった金額を考えないようにしながら、ソファーに横になった。
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