翌朝。晴れ。
起きて、改めて思う。今日が休みで良かった。
休みにしては早く起きたせいで重い瞼を擦りながら、朝食の準備を進める。後で食材買ってこないとだなぁ。
男の子だししっかり食べるかな、なんて考えながら冷蔵庫から幾つかの食材を取り出す。
パンをトースターに入れて、卵を割って。少しだけ牛乳を混ぜたそれをカシャカシャ混ぜながら、そういえばソーセージってボイルしてから焼くと美味しいとか言ってたなぁと思い出す。そうしてフライパンに水を入れた辺りで、混ぜた卵を焼く場所を失ったことに気付いた。うーん、ポンコツ。
フライパンの中身が沸騰したのを確かめてソーセージを放り込んで、焼けそうなパンの為に皿を取り出す。
ある程度ソーセージが踊ったらお湯を捨てて、フライパンを乾かしがてら焼いてみる。お腹が空く匂い、我ながら良い出来だ。
焼き目の付いたソーセージが立てたパキュッという音と、それを遮るようなドアの音。
振り返れば、警戒の色を見せる彼がキッチンを覗きこんでいて。
多分これが最初の、きちんと彼と出会った瞬間だった。
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