ある日、何となく思い立って、部屋の掃除を始めてみた。

部屋の隅だの棚だのを整理すれば、思い出の品だのくだらないものだのが出るわ出るわ。
手を伸ばしかけたアルバムは伏せて、しまい直すものを別のスペースへと追いやっていく。この類いのものを開くと時間が足りるはずがない……!


不意に、棚の奥に伸ばした指先に布が触れる。
こんなところに布? 何をしまっていたっけ。

探るようにして取り出した手のひらサイズのそれは、包帯だった。
あぁ、これはあのときの──

いつかの名残