(手頃な枝に手を伸ばし、体重を掛け──)
(ウロコのようになった樹皮がチクチクと手のひらに刺さり、そっと手を離した)




──はは、へったくそ。

(声に振り返れば、トーマスが別の木にもたれながら笑っていた)

まぁ、その腕じゃあ無理かもな?
せめてもうちょい力がありゃ……

(歩み寄りながらへらへらと笑うトーマスに二の腕を掴まれた)
(……ふにふにと揉まれている……)

……にんげんの腕って、こんな細いんだな……


Δえ、そんなに?

Δ木に登ってみる