【ジャミル先輩、お誕生日おめでとうございます!あなたの未来にたくさんの幸せがありますように。っ黒地に赤で鳥の羽根の刺繍が入ったハンカチ】
あぁ、ありがとう。
……鳥の羽根か。
砂漠の魔術師も常に鳥を連れていたというし、幸運のシンボルでもあるからお気に入りのモチーフの1つだ。
大切に使わせてもらうよ。
【ジャミル先輩へ、お誕生日おめでとうございます…。まだ先輩だけを選べてない私ですが、ツイステ沼にハマったのは先輩のおかげです。生まれてきてくれてありがとう、プレゼントは…お揃いの髪飾り…とかいかがです?】
監督生、ちょっと後ろを向いていて貰えるか?
……ふふ、我ながら良い出来だ。
そら、お望み通りにお揃いをつけてやったぞ。
今日一日はこれで過ごしてくれるんだよな?
それに、今はいいさ。
いつか俺の力で、俺だけを選ばせてやるからな。
【ジャミル先輩。あなたの砂漠の夜みたいに綺麗な髪も、オニキスみたいに覗き込むと逸らせなくなる瞳も、いつも損しちゃうのに手は抜かない完璧主義者で、ちゃんと自分の仕事にプライドを持っている所も、本当は悪戯っ子みたいに笑う所も、全部全部大好きです。お誕生日おめでとうございます。あなたが何て言っても、あなたが産まれてくれて、今まで生きてきてくれて良かったです。私と出会ってくれてありがとうございます。これからもずっと、あなたが笑っていられるように祈ってます。幸せになってください。】
……君は恥ずかしいやつだな。
よくそんな言葉がスラスラと出てくる。尊敬するよ。
でも、ありがとう。お陰様でこれまで生きてきて良かったと思えたよ。
俺の人生を、アジーム家の為だけの人生にはしないさ。君の言う通り、俺の幸せも考えてみようと思う。
その幸せの一部に君もいてくれるなら、それ以上の幸福は無いと思うんだが、どうだ?
【ジャミル先輩!お誕生日おめでとうございます!これからもずっとずっと大好きですよぅ!プレゼントは私、なんて言ったら大げさかもですが、先輩がこれからも平穏に過ごせるよう、お手伝いさせてもらえたら嬉しいです(*´꒳`*)】
それならもう君は俺の物、ということだな?
……なんて、冗談だ。
それにもう騒がしいのには慣れたよ。
カリムや他の連中は御免だが、君が隣に居る賑やかな日常というのも中々に悪くない。
きっと君のいない静かな日常に戻ったら、俺は物足りなく感じてしまうんだろうな。
【先輩お誕生日おめでとう!いつも頑張ってる先輩だから、今日一日くらいはありのままで過ごせるといいなって思います…。と、言うことで何でも言う事聞く券を差し上げます!1回限りですよ!】
何でも……、そうだな。
まずはこの券を無限に増やしてくれるか?
ハハッ、なんてな。そんな顔をしないでくれ。
じゃあ、明日一日俺に付き合ってもらおうか。
二人でゆっくりするのもいいし、買い物に出るのもいい。
どうやって過ごすか、これから一緒に考えよう。
【ジャミル先輩!お誕生日おめでとうございます!プレゼントにクレマチスの花束とジャミル先輩の好みに合うかちょっと不安ですがサファイアのブレスレットを贈らせていただきます!】
ありがとう。
誕生花と誕生石か。君も中々ロマンチストだな。
花言葉は『精神の美・旅人の喜び・策略』、サファイアは『知識や知恵』の石だそうだ。
……ふふ、ピッタリだな。
気に入ったよ、大切にする。
【ジャミル先輩は今日は主役なので座っててください!私が何でもやりますから!さあ、何でもお申し付けください!!⊂(`・ω・´)⊃バッ】
主役というのには慣れていないから、何だか落ち着かないな……。
まぁ君がそう言ってくれるなら、今日は大人しく甘えさせてもらおう。
じゃあまずは俺の隣に座って、食事を一緒に味わってもらおうか?
折角の誕生日だからな。
君を隣に侍らせても文句は言われないだろう?
【今日はジャミル先輩がご主人様ですよ!何でも言ってくださいね!】
何でも……。難しいな……。
だが、ご主人様という響きは悪くない。
ただ君には相応しく無いような気もするがな。
君に呼ばれるならあなた、とかの方がいいな。
今日一日、そう呼んでもらおうか?
【ジャミル先輩誕生日おめでとうございます!っカレーパン】
カレーパンか。君の話を聞いて気になっていたんだ。
……中にカレーを入れて油で揚げてあるようだな。
自分で作るとなると、パン生地の種類やそれに合うカレーの種類やら、試してみることが多そうだ。
今度作ってみるから、良かったら味見してくれ。
【ジャミル氏ー!!これを受け取ってくれー!! 三三三『カリースパイス』と『友愛』と『がけものCD』】
!!これは……、こんなに貰ってしまっていいのか?
それにがけものCD!!
今度お礼にこれでカレーを振る舞うよ。
……それじゃあ、早速イデア先輩に連絡しよう。
久しぶりに先輩と打って来ようか。
良かったら君も打ち方を教えてもらうか?
【生まれて来てくれてありがとうございます、ジャミル先輩。衣装借りてきたので、よかったら一緒に踊りませんか?】
衣装……、勿論君の分もあるんだろうな?
それなら一緒に踊ろうか。
ほら、手を取れ監督生。
ダンスには少々自信があるんだ。
君をエスコートさせてくれ。
【ジャミルせんぱい大好きです!身も心も貴方に捧げる覚悟が出来てます。私をどうか受け取ってください】
いいのか?もう返してやることは出来ないぞ。
……身と心だけじゃ足りないな。
君の魂も、君の全部、全部を俺にくれ。
君が元の世界に戻りたいと願っても、もう帰してはやれないからな。
……この身はアジーム家に捧げたものだが、俺の心と魂は君にやるから。
【ジャミルくんお誕生日おめでとうございます…!どうか健やかに日々をお過ごし下さい…!幸せを祈っております。】
ありがとう。
……健やかに過ごせればいいんだがな。
ただ、君が隣に居てくれると普通に笑えていることに気付いたんだ。
これからもきっと、君がいてくれれば俺は幸せもになれるさ。
沢山の祝いの言葉とプレゼント、ありがとう。
……こんなに満たされた気持ちになる誕生日は産まれて初めてだよ。
どうかこれからもよろしく頼む。
大丈夫。きっと、俺も君も全て上手くいくさ。
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