……小エビちゃん起きた?
大丈夫?
(はい……、え、先輩部活は……?)
そんなんサボったに決まってるじゃん。
小エビちゃんの姿が見えないから、カニちゃん問い詰めたら保健室にいるっていうんだもん。
だから心配して来たんだけど、ちょー血の匂いするんだけど。
どうしたの?怪我しちゃった?
……誰にやられたの?
教えて、オレが絞めてくるから。
(私の服の袖を握りしめて、先輩が私の顔を覗き込んでくる。)
(ギリリ、と歯を食いしばる音がして、先輩は眉間に皺を寄せた。)
(私に向けられたわけじゃないのに、その身から溢れる怒気に思わず身震いする。)
(いや、怪我じゃなくて……)
(その、………、)
(言いづらかったが、言葉を選んで何とか説明する。)
(説明が終わると、握りしめられていた先輩の手からゆっくりと力が抜けていく。)
(今度は反対に私が先輩の顔を覗き込むと、ポカンと口を開けていた。)
(先輩……?)
良かった、誰かに怪我させられた訳じゃないんだ。
んー、話しには聞いた事あったけど、こんな大変なものだと思ってなかった〜。
お腹が痛いだけ?気持ち悪くない?他は?
(少しだけ、)
(あと眠気が……。)
じゃあもう少し寝てていーよ。
オレが見ててあげる。
手は……、あー、オレの手冷たいからちゃんと布団掛けといてね。
(そう言うと私に布団をかけて、布団越しにポンポンとお腹を撫でられる。)
……早く良くなるといーね。
大丈夫、小エビちゃんの寝顔見てるだけで飽きねーから。
ちゃんと側にいるね〜、アズールにも今日はモストロラウンジいかねーって連絡したし。
(え、それ大丈夫なんですか?)
へーきへーき、休みの日もあるしぃ。
小エビちゃんは何も心配しなくていーの。
……おやすみ、小エビちゃん。
?…フロイド先輩………