名前:監督生

異世界に飛ばされて13日目


……小エビちゃん起きた?
大丈夫?

(はい……、え、先輩部活は……?)

そんなんサボったに決まってるじゃん。
小エビちゃんの姿が見えないから、カニちゃん問い詰めたら保健室にいるっていうんだもん。

だから心配して来たんだけど、ちょー血の匂いするんだけど。
どうしたの?怪我しちゃった?

……誰にやられたの?
教えて、オレが絞めてくるから。

(私の服の袖を握りしめて、先輩が私の顔を覗き込んでくる。)
(ギリリ、と歯を食いしばる音がして、先輩は眉間に皺を寄せた。)
(私に向けられたわけじゃないのに、その身から溢れる怒気に思わず身震いする。)

(いや、怪我じゃなくて……)
(その、………、)
(言いづらかったが、言葉を選んで何とか説明する。)

(説明が終わると、握りしめられていた先輩の手からゆっくりと力が抜けていく。)
(今度は反対に私が先輩の顔を覗き込むと、ポカンと口を開けていた。)

(先輩……?)

良かった、誰かに怪我させられた訳じゃないんだ。
んー、話しには聞いた事あったけど、こんな大変なものだと思ってなかった〜。

お腹が痛いだけ?気持ち悪くない?他は?

(少しだけ、)
(あと眠気が……。)

じゃあもう少し寝てていーよ。
オレが見ててあげる。
手は……、あー、オレの手冷たいからちゃんと布団掛けといてね。

(そう言うと私に布団をかけて、布団越しにポンポンとお腹を撫でられる。)

……早く良くなるといーね。
大丈夫、小エビちゃんの寝顔見てるだけで飽きねーから。
ちゃんと側にいるね〜、アズールにも今日はモストロラウンジいかねーって連絡したし。

(え、それ大丈夫なんですか?)

へーきへーき、休みの日もあるしぃ。
小エビちゃんは何も心配しなくていーの。

……おやすみ、小エビちゃん。

?…フロイド先輩………