名前:監督生

異世界に飛ばされて13日目


は……?

(ジャミル先輩、すぐにユニーク魔法を使おうとするのはナシですよ!)
(嫌なら、ちゃんと口で言って下さい。)

口で……。

(そうです。)
(無理矢理言うこと聞かせても、意味が無いでしょう?)
(それに、ちゃんと言ってもらった方が私も嬉しいです。)

(私がそう言って見つめると、ジャミル先輩は狼狽えたように目を伏せた。)


……すまない。
まだ、君に自分の意見を言うことを躊躇ってしまうんだ。

カリムや他のやつにはどう思われても構わないが、君に断られたり、ましてや嫌われたりするかもしれないと考えると、どうしてもな。
……我ながら、こんな女々しい性格はしていなかった筈なんだが。


……ユウ。
行かないでくれ。
君にその気が無いと分かっていても、それでも行って欲しく無いんだ。

付き合ってもないのにこんなことを言うなんて、俺の我が儘だって分かっている。
どうか俺のことを、嫌わないでくれ。


嫌いませんよ。…ジャミル先輩、一緒にお茶しませんか?(手を差しのべる)
嫌です!(ぎゅっと目を閉じる)