名前:監督生

異世界に飛ばされて13日目


目が覚めたようね。
……酷い顔。

(ん、ヴィル先輩……?)
(眉間に皺を寄せた先輩の指が、私の目の下を撫ぜた。)

肌の状態も悪いわね。
……食事は摂れた?

(いや、余り食欲が無くて……、)

そうよね。
水分なら摂れるかしら。

(はい……、)

良かった。
カモミールティー、淹れてきたから飲みなさい。

(え、いいんですか?)

当たり前じゃない。
アンタの為に淹れてきたんだから。
ほら、熱いから気を付けてね。

(そういうと、先輩は手に持ったボトルからお茶を注いで手渡してくれる。)

安心なさい、ちゃんとカフェインは入ってないわ。
飲んだらもう少し寝なさい。
身体も温まるだろうから、少しは楽になるでしょう。

目が覚めたら、食べやすい食事を用意してあげるわ。
辛いだろうけど、少しは摂らないとね。


……大変ね、女の子って。
変わってあげることは出来ないけど、辛い時側にいてあげることなら出来るわ。

手、握っててあげるから目を閉じなさい。
大丈夫、また起きる時も隣にいるわ。

(言われた通りに目を閉じると、右手に先輩の指が絡んだ。)
(ゆるく繋がれた手が解けないように、私は軽く握り返した。)

ヴィル先輩……、