目が覚めたようね。
……酷い顔。
(ん、ヴィル先輩……?)
(眉間に皺を寄せた先輩の指が、私の目の下を撫ぜた。)
肌の状態も悪いわね。
……食事は摂れた?
(いや、余り食欲が無くて……、)
そうよね。
水分なら摂れるかしら。
(はい……、)
良かった。
カモミールティー、淹れてきたから飲みなさい。
(え、いいんですか?)
当たり前じゃない。
アンタの為に淹れてきたんだから。
ほら、熱いから気を付けてね。
(そういうと、先輩は手に持ったボトルからお茶を注いで手渡してくれる。)
安心なさい、ちゃんとカフェインは入ってないわ。
飲んだらもう少し寝なさい。
身体も温まるだろうから、少しは楽になるでしょう。
目が覚めたら、食べやすい食事を用意してあげるわ。
辛いだろうけど、少しは摂らないとね。
……大変ね、女の子って。
変わってあげることは出来ないけど、辛い時側にいてあげることなら出来るわ。
手、握っててあげるから目を閉じなさい。
大丈夫、また起きる時も隣にいるわ。
(言われた通りに目を閉じると、右手に先輩の指が絡んだ。)
(ゆるく繋がれた手が解けないように、私は軽く握り返した。)
ヴィル先輩……、