何?アタシのことかしら?
まぁ、自分の美しさは分かっているから、そう呼ばれることもやぶさかでは無いのだけれど。
アンタに呼ばれるのだけは、納得いかないわね。
(?)
(私が小首を傾げると、腰に手を回されてくるりと壁に背を向けられる。)
(まるでエスコートするような滑らかな手つきに見惚れていると、 クイッと顎を持ち上げられた。)
(あ、と思った時には、私の背中はピッタリと壁に押し付けられていて、目の前では薄紫色の瞳が楽しそうに細められていた。)
ねぇ。
これでもアタシのこと、お姉様なんて呼べるかしら?
(間近で見た彼の意地悪そうな笑みと、腰をなぞる手の男らしさに顔を真っ赤にして首を振ると、彼はまた楽しそうに笑みをこぼした。)
ヴィルお姉様