……それで?
お前はどうするんだ?
(え、どうとは……?)
だから、その手紙を寄越したロイヤルソードのやつと付き合うつもりなのか?
(いや、そのつもりは無いんですけど……)
(折角手紙まで貰ったんだし、一回くらい会わないと悪いかなって……)
(そう言うと、トレイ先輩は安心したように微笑んだ。)
なんだ、それなら気にすることないじゃないか。
その気も無いのに会うなんて、相手に期待させるだけだぞ?
……そうだ。その手紙、俺が捨てておいてやろうか?
持ってると気になるだろう?
(いや、でもトレイ先輩にも悪いし、私に手紙くれた人にも悪いんじゃ……)
……お前が気にすることないさ。
それに罪悪感があるなら、その気持ちは俺が上塗りしてやるよ。
その『手紙』は『副寮長宛の書類』で、お前はそれを届けに来てくれたことにすればいい。
……まぁ効果は短時間しか持たないが、手紙を俺に渡した後なら思い出しても問題ないだろう?
(えっ、)
ほら、大丈夫だ。
思い出しても、お前は気に病まないでいいからな。
ーー薔薇を塗ろう。
(あ、トレイ先輩!)
(これ、副寮長宛の書類です!)
(先輩に渡してほしいって頼まれたんですけど……)
ありがとう、助かったよ。
わざわざ悪かったな、ちゃんと受け取った。
(いえいえ、それじゃあまた!)
あぁ、またな。
今度お詫びにお前の好きなケーキ焼くから、考えておいてくれ。
(? お詫びだなんてそんな……。気にしないでください!)
(あ、そろそろ授業始まるので行きますね!)
(あとショートケーキがいいです!)
はいはい、ちゃんと前見て走らないと転ぶぞ。
……あと、お詫びで合ってるよ。
はは、いつ思い出すんだろうな。
トレイ先輩に相談する