すみません、起こしてしまいましたね。
……体調はいかがですか?
(ん、大分良くなりました……。)
(先輩、どうして?モストロ・ラウンジは……?)
おや、可愛い後輩の心配をするのに理由が必要ですか?
ふふ、あなたが気にすることじゃありませんよ。
ラウンジは滞りなく営業してますので、ご安心ください。
それよりも、まだ顔色が戻りませんね……。
辛いでしょう?
(するりと先輩のひんやりとした手が、汗ばんで額に張り付いた髪の毛を梳いた。)
(ん、冷たくてきもちい、)
……暑いのですか?
冷えると良くないと聞いたのですが、
(うーん……、手足とかお腹は冷えてるのに、顔だけ熱くて変な感じです。)
(だから、先輩のひんやりとした手が気持ちよくて、)
(すり、と私を慈しむように撫でる先輩の手に擦り寄る。)
……、
それなら、ちゃんと布団被ってください。
冷えて体調が悪化しても知りませんからね。
(はい、)
(言いつけ通りに布団を首まで被ると、先輩は私の頬をゆるゆると撫ぜる。)
ほら、もう少し眠ってなさい。
ちゃんと起こして差し上げますから、安心していいですよ。
……いい子ですね。
(先輩の手に私の体温が移って、じんわりと温かくなる。)
(安堵感からか次第に重くなる瞼に逆らわず、私は瞳を閉じた。)
アズールせんぱい……?