……それならば、
(そう言うと、アズール先輩は私の手を引いて自分の方へと抱き寄せた。)
(私の顔を自分の胸に埋めるように抱き寄せられた後、彼の両腕は、軽く振り解けるような強さで私の背に回される。)
(少しでも動けば離れてしまいそうなほど弱々しい抱擁は、縋り付いているようにも、迷っているようにも感じられた。)
ここで僕が、「あなたのことを誰よりも愛しています。他の方よりもあなたを幸せにできると誓います。あなたがいないと、僕はもうダメなんです。」とでも言えば、貴方は僕を選んでくれるのですか?
……僕の手を取って、これから先も隣で生きてくれるとでも言うのですか?
☆誰でもいいようで誰でも良くないような……私が望むだけ、ひたむきに私の為だけに心を砕いてくれる人がいたならば、私はその人に同じだけを返したいと思うのです