ん、来たな。
(そう言って、先輩はニヤリと笑った。)
(くっ、と慣れた手付きで布団に転がされた後、先輩が私に覆い被さると同時に頭の上まで布団を掛けられてしまう。)
(真っ暗になった視界と狭すぎる密室の中で、先輩の熱と吐息がやけに近くに感じた。)
(ちょ、せんぱっ……!)
俺は忠告したぞ。
それでも隣に来たんだ、お前も本当は分かってただろ?
(そう言って、耳にふっと息を吹き掛けられる。)
(それと同時に、先輩の手が私の体をなぞって太股に優しく触れた。)
(性急すぎるその動きと、布団に篭った二人分の熱気に頭が付いていかず、はくはくと息を漏らす。)
(どうしたらいいのかぐるぐると頭を巡らせていると、私の横にあった先輩の頭が小刻みに揺れた。)
……、ははっ!冗談だ。
第一、誰に見られているかも分からないんだ。
ここで手を出したりなんてしないさ。
(布団をどかしてベッドの上に座った先輩が、はたはたと服を仰ぐ。)
流石に布団に篭るのは暑かったな。
……ん?なんだ、本気にしたのか?
顔が真っ赤だぞ。
(そう言って先輩は笑ったけど、耳元で感じた吐息の熱と。)
(押し倒される時に見た、確かに情欲に濡れたあの瞳を思い出してしまって、私は再び布団に潜った。)
☆お隣失礼します(隣に座る)