名前:監督生

異世界に飛ばされて13日目


どうやら、ピッピッという電子音はこのドアの外から聞こえるようだった。
暫くの間そうしていたけれど、聞き耳では部屋の外に人が居るかどうかを知ることは出来なかった。


(やっぱり、行くしかないよね。)

震える手で、それでも音が鳴らないように慎重にドアノブを回す。
そうしてほんの少し開けた隙間から周囲を伺ったけれど、やっぱり人の気配は感じ取れなかった。

その代わり、無機質な電子音が鮮明に聞こえる。
このドアの外に時計でも置いてあるのだろうか。


(……なにこれ、)

ドアを開けると、大きなモニターが壁に貼り付けられていた。
モニターには数字が表示されており、【24:00:00】
と映し出されている。
その数字が点滅する時に音を発しているようだった。

モニターの縁には小さな読み辛い字で、『同じ部屋で一日過ごさないと出ることは出来ない』と書かれていた。


(同じ部屋でってことは、他にも人が居るのかな……)

廊下には、私が出てきた部屋の他に三つ程ドアが付いていた。
そのどれからも、モニター以外の音や人の気配を感じ取ることは出来ない。

私は端からドアを開けることにした。


***

まず、廊下の右奥は私の目覚めた寝室。
その正面にモニターが設置されており、その両端にドアが配置されている。
右側はトイレで左側は洗面所になっていた。

洗面所の先には、簡易的なシャワーと浴槽が備え付けられていた。
棚に二人分の着替えやタオルも見受けられる。


そして、最後のドアを開けるとリビングのような空間が目に入った。
部屋を入って右側には簡易的なキッチンが備わっており、ある程度の食材は備蓄されているようだった。
キッチンの手前にダイニングテーブルと椅子が二つ。

左側にはソファとローテーブルが置いてあり、ソファには人が倒れ込んでいた。
よく見るとそれは私の見知った人であり、それを認識すると私は思わず駆け寄って、名前を呼んだ。

(………!!)


☆ジャミル先輩と同じ部屋
☆アズール先輩と同じ部屋
☆ラギー先輩と同じ部屋