名前:監督生

異世界に飛ばされて13日目


ん、目が覚めたみたいだね。
気分はどうだい?

(少し良くなりました。)
(先輩、なんで……?)

エースとデュースに聞いたんだ。
姿が見えなかったからね。
二人とも心配してたよ。

……まだ少し顔色が良くないね。
薬は飲んだのかい?

(飲みました……。)

じゃあもう少し寝ていた方がいいね。
ほら、横になって。

(いやでも、先輩がいるのに……、)

ボクのことは気にしないでいい。
あぁ、少し横を向けるかい?

(? はい、)
(言われた通りに横を向いて寝転がると、先輩は背中側にクッションを差し入れた。)

クッションに軽く体重を掛けて寝てごらん。
……ほら、これで少しは楽じゃないかな。

(本当だ、なんで……?)

姿勢を変えるだけで、多少は違うだろう?
……ボクの知識が役に立って良かったよ。

帰る時はちゃんと起こしてあげるから、今はおやすみ。
大丈夫、側にいるからね。

(そういうと先輩は、あやす様に頭を撫でてくる。)
(安心したように小さく息を吐いた先輩の顔が、閉じた瞼に焼き付いていた。)

………リドル…せんぱい