ん、目が覚めたみたいだね。
気分はどうだい?
(少し良くなりました。)
(先輩、なんで……?)
エースとデュースに聞いたんだ。
姿が見えなかったからね。
二人とも心配してたよ。
……まだ少し顔色が良くないね。
薬は飲んだのかい?
(飲みました……。)
じゃあもう少し寝ていた方がいいね。
ほら、横になって。
(いやでも、先輩がいるのに……、)
ボクのことは気にしないでいい。
あぁ、少し横を向けるかい?
(? はい、)
(言われた通りに横を向いて寝転がると、先輩は背中側にクッションを差し入れた。)
クッションに軽く体重を掛けて寝てごらん。
……ほら、これで少しは楽じゃないかな。
(本当だ、なんで……?)
姿勢を変えるだけで、多少は違うだろう?
……ボクの知識が役に立って良かったよ。
帰る時はちゃんと起こしてあげるから、今はおやすみ。
大丈夫、側にいるからね。
(そういうと先輩は、あやす様に頭を撫でてくる。)
(安心したように小さく息を吐いた先輩の顔が、閉じた瞼に焼き付いていた。)
………リドル…せんぱい