……あっそ。ダメそうなら早めに言ってよ。
(つまらなそうに返した彼は背を向け、ドアの方へ歩いていった)
(正直に言えば、ほとんど咄嗟の言葉だった)
(足元は霧に掬われているかのようにふわついていて、体調も決して良いとは言えない。背中が痛い)
(……けれど今は、ここから脱出するのが先だ。ドアの傍で立ち止まった彼の方に駆け寄る)
(何かを確かめるように手を握って開いてを繰り返したその人は、私が近寄ってくるのを確かめ、また歩きだした)

(……周囲に満ちる霧などないように進んでいく背中を追い掛ければ、団地の合間に乱雑に積まれたテレビと出くわした)
(ただの奇妙なオブジェに見えるブラウン管も、私は知っていた)へぇ、ラッキー。徘徊してオダブツって流れは避けられそうだね。
……ほら、きみ先に行って。元の場所戻れるかは分かんないけど、多分危険はないから。
(腕を引いてテレビの前に立たされたかと思えば、ぐいぐいと押し込まれる……!)→