>……気が付けば、T字路に面したガソリンスタンドの側で立ち呆けていた

>何をしていたんだったか……
>記憶を手繰り寄せようとするも、どうもはっきりしない……


「……大丈夫?」

>しばらく立ち止まっていたからか、スタンドの店員に声を掛けられた
>銀にも似た灰の髪が春風に揺れている


「あぁ……きみ、去年の今頃引っ越してきた人だっけ。
 ……覚えてない? ここに寄った時に少しお話したんだけどなぁ。

 それで、きみは散歩中かな? 春先は気温も変わりやすいから、風邪を引かないよう気を付けて」

>……
>にこやかに手を振る店員と分かれ、商店街を進むことにした





三月の終わり、稲羽の一角