>商店街を進むにつれ、段々と記憶がはっきりしてきた……
>自分は昨年、家庭の事情によりこの稲羽市に引っ越してきて、都会の喧騒とは程遠いのんびりとしたこの町で一年を過ごした
>高校生活の始まりに合わせて転入したおかげで馴染めているし、やや退屈なことを除けばここでの生活に不満は少ない
>……少ない、はずだ
>思考を遮るように、桜の花びらが視界を掠めた
>顔を上げた先、見慣れた商店街は、昨年引っ越してきた時よりもそのシャッターの数を増やしている……
>……?
>見知らぬ男性が辺りを見回しながら歩いている……>
大丈夫かと声を掛ける>
不審に思いながら眺める
一年を過ごした場所